鹿島は11月11日、今夏に開発した洋上風力発電設備用の海上作業構台「Kプラットフォーム コンボ」を複数台利用した施工法を2種類確立したと発表した。開発した1つ目の工法は「別工種並行施工型」で、1台の構台に基礎施工用のアタッチメントを、もう1台に風車組立用のアタッチメントを取り付け、1台が先行して基礎を施工するもの。もう1台が同時進行で風車を組み立て、順次風車を完成させる。この工法は、移動用のフロータを1セットで複数の作業構台に共用できる利点がある。24基の洋上風車を1隻の大型SEP使用して施工する場合に比べ、2年以内に施工期間を短縮できるなどの優位性があるという。
2つ目の工法は、同時に複数の基礎や風車を施工する「同工種同時施工型」。複数の構台に同じアタッチメントを取り付け、基礎施工時は同時に複数の基礎を、風車組立時には同時に複数の風車を施工する。別工種並行施工型と同じくフロータは1セットで済み、岸壁内の陸上作業ヤードは、同じ場所を設備を組み替えて使用するため大きなスペースが必要ない。同社は新開発の工法を、工期短縮とコスト縮減につながる効率的な工法だとしている。今後は、事業期間終了後の最終的な解体・撤去作業までを見据えた施工法をさらに検討するほか、洋上風力関連の要素技術の開発を急ぐ。