矢野経済研究所は11月4日、今年の太陽電池モジュール世界市場の調査結果概要を発表した。6月~9月にかけて、太陽電池メーカー、太陽光発電システムの販売会社などを調査したもので、詳細な内容は同社の調査報告書「2015 太陽光発電システム市場の現状と将来展望」に収録されている。概要によると、同社は今年のモジュール市場規模を前年比25.4%増の5万4500MW、金額ベースでは11.2%増の1199億ドルになると予測している。
今年の市場規模は、供給量では拡大するものの、供給価格は急落する傾向にあるとしている。このため、金額ベースでの伸び率は供給量の約半分に留まるという。メーカーは製造・販売事業での赤字体質から脱却するため、運営・維持管理事業、電力小売事業など、システム販売に軸足を置いたビジネスモデルからの転換に注力している。2025年には、米国や東南アジア諸国、アフリカなどで導入が増加し、2015~2025年までは年平均成長率が10.5%で推移すると予測。2025年の同市場規模は14万7510MWへ拡大すると見られる。しかし、供給価格の下落傾向も続き、金額ベースでの年平均成長率は-4.2%とマイナス成長が見通されている。このことから2025年の金額ベースでの市場規模は、782億ドルに留まると予測されている。