産業技術総合研究所・再生可能エネルギー研究センター水素キャリアチームは9月17日、アンモニアでのガスタービン発電に成功したと発表した。東北大学流体科学研究所と共同で研究し、41.8kWの出力が得られた。また、メタンとアンモニアの混合ガスを燃料に用いた発電にも成功した。
アンモニアは炭素を含まず、水素の割合が多いため水素キャリアとしての利用が模索されている。アンモニアは燃焼しても主に水と窒素しか発生しないため、CO2排出量を削減する観点からも発電燃料化が期待されている。産総研は昨年、灯油にアンモニアを約30%混合させた燃料で21kWの発電に成功しており、今回の研究はそれに続くものとなる。両者はアンモニアを主燃料としたガスタービン技術の開発を進め、産総研の福島再生可能エネルギー研究所(郡山市)に大流量のアンモニア供給設備とメタン供給設備を設置。メタン-アンモニア混合ガスと100%のアンモニアガスを燃焼させ、それぞれの燃料で41.8kWの発電に成功した。