2013/03/29 ニュース
家庭用蓄電池など大型電池市場、7年後に1兆円市場に

 

 日本政策投資銀行関西支店はこのほど、調査レポート「関西バッテリーベイにおけるリチウムイオン電池製造装置メーカーの重要性」を発行した。世界市場で競争力を持つリチウムイオン電池の製造装置メーカーの強みと課題を分析し、日本・関西の取るべき方向を考察したもので、レポートによると家庭用蓄電池、スマートハウス向けなどの大型リチウムイオン電池市場は、平成32年には平成24年度の3100億円から、1兆4500億円の市場規模に成長するという。
 
 また、設備投資も平成27年ごろから活発化すると見られており、今後の市場拡大が期待されている。リチウムイオン電池全体の平成23年の国別市場規模は、日本が137億円(世界市場の44%)、韓国が55億円(18%)、中国が46億円(15%)と、約4割がアジア向けに販売されている。
 
 国内のリチウムイオン電池メーカーは多くが大阪・京滋地域に本社を置いており、これらの企業が通称「関西バッテリーベイ」と呼ばれる地域を形成している。大部分の企業がアジア諸国のメーカーが仕掛ける価格競争などで苦戦中と見られているが、各分野のメーカーと公的研究所などが技術力などのすり合わせを行うことで、高性能電池を市場投入することが可能になってくる。同時に最先端のアプリケーションで市場を創出していくことも、競争力向上と関連産業の雇用確保で重要だとしている。