2015/08/26 ニュース
ペロブスカイト太陽電池の劣化問題の一因を解明 NIMS
 館山 佳・物質・材料研究機構(NIMS)国際ナノアーキテクトニクス研究拠点グループリーダーらの研究グループは、このほどペロブスカイト太陽電池の陽イオン分子の拡散状況を原子レベルからの理論計算で解明した。この研究は、ペロブスカイト太陽電池の実用化で問題視される劣化の速さ、変換効率の再現性の低さを解明するために行った。
 
 ペロブスカイト太陽電池は低温溶液プロセスで作られ、安価で高効率な次世代太陽電池とされる。しかし、劣化速度が速いなどの課題がある。また電圧のかけ方次第で、変換効率が変動してしまう。そこで研究グループは、第一原理計算と反応経路の探索手法を組み合わせ、代表的なペロブスカイト材料内で陽イオン分子が空孔を媒介に拡散すること、移動しうることを世界で初めて証明した。この陽イオン分子はペロブスカイト材料の構造維持に重要で、その移動は大きく構造を歪ませ、速い劣化の有力な一因と見られている。研究グループでは今回の研究結果から、空孔密度の減少やイオンサイズの制御が劣化の抑制に有効だとしており、今回の成果が実用化可能なペロブスカイト太陽電池開発に貢献すると期待している。