2015/05/29 ニュース
電力販売実績のある新電力会社は71社 帝国データバンク
 帝国データバンクは5月28日、特定規模電気事業者(PPS)として登録されている654社(4月30日現在)の実態調査結果を発表した。調査結果によると、今年3月時点で電力の販売実績がある企業は71社と、届け出た企業の大半は新電力会社として稼動していないことが伺えるとしている。
 
 今回の調査は昨年5月8日の調査に続き2回目となる。まず、654社の本社所在地は東京都が219社(構成比33.5%)と最も多かった。近年は東日本大震災やFIT制度の施行で新規参入が増加しており、設立時期別では平成26年に設立された企業が58社(8.9%)が最多だった。平成22年までに設立された企業は435社(66.9%)と全体の6割以上を占めている。参入企業の業種別では、卸売業が139社(21.3%)がトップで、以下建設業(97社・、14.8%)、小売業(85社・13.0%)と続いている。年間売上高別では、1億円以上~10億円未満が141社(21.6%)が最多となり、10億円以上~100億円未満は139社(21.3%)、100億円以上~1000億円未満は74社(11.3%)が続いた。年間売上高10億円以上の企業は261社(39.9%)と全体の約4割を占めた。一方、設立から間もない企業や、事業実態が掴めない「未詳」も209社(32.0%)と全体の3割強を占めている。
 
 同社は、来年4月と見込まれている、電力小売り事業の全面自由化のため今年後半から「小売電気事業者」への事前登録が始まる見通しだとしている。このため、PPSから小売電気事業者に登録がシフトすると見られ、新電力会社としてのライセンスを獲得できない企業の淘汰が始まる可能性があるという。