大成建設は5月27日、太陽光発電設備の架台基礎構築を短工期・低コストで施工できる簡易斜杭基礎「T－Root」を開発したと発表した。ラスコジャパン、ブイ・エス・エル・ジャパンと共同開発したもので、3社は太陽光発電設備向け以外にも小規模な工場設備、仮設構造物などの簡易基礎として提案営業を始める。

 

　T－Rootは、樹木の根が地中に広がる形状をヒントに開発された。軽量でコンパクトなダクタイル鋳鉄製台座を基礎フーチングに使用し、施工時には4本の鋼管をハンディー型の電動ハンマーで斜めに配置する。杭材に鋼管を用いているので低コストで調達できるほか、コンクリート基礎と比べると工種を削減できるため、短工期で施工できる、撤去も容易で、鋳鉄製台座と杭材は再利用できる。さらに、▽斜杭構造と台座に鋼管杭を固定する杭頭固定機能で、小口径の短い鋼管杭でも外力に大きな抵抗力を持つ、▽水田跡地などの軟弱粘性土地盤にも適用が可能、▽重機を使用できないような既設構造物の周辺、傾斜地でも容易に施工できる、▽大掛かりな土砂掘削・搬出が不要で取付道路などの周辺整備も不要となり、CO2排出量も削減できる、などの特長を併せ持っているという。