東芝は4月6日、府中事業所に「水素エネルギー研究開発センター」を開設したと発表した。同センターは再生可能エネルギー発電システム、水電解装置、燃料電池などグループ内の水素関連技術を融合した水素ソリューションの開発と商品化を進めるためのもの。同社は、同センター開設を契機に水素関連事業を拡大し、グループ全体で2020年度に売上高1000億円を目指す。
同センターは昨年12月に着工しており、建築面積は900㎡で、太陽光発電設備と水電解装置、燃料電池水素機などを備える。また、水と電気から水素を生成する固体酸化物形電解装置も設置されている。これは太陽光発電設備や燃料電池などと組み合わせ、今後実用化の検証を行う。これらの設備で、同社は今年度以降、離島・遠隔地など発電コストが高い地域向けに、再エネから水素を生成して電力に利用する「地産地消型」エネルギー供給システムを実用化する。このほか2025年を目途に、海外での大規模風力発電などで生成した水素を国内に輸入、水素ガスタービン発電所で発電を行う水素サプライチェーンの構築を計画している。水素ガスタービンが実用化されれば、大電力網を整備せずクリーンな大量の電力を安定的に貯蔵、供給できるようになるという。