2015/02/20 ニュース
国立公園内へのメガソーラー設置に慎重さ求める 環境省
 環境省は2月19日、「国立・国定公園内における大規模太陽光発電施設設置のあり方に関する基本的考え方」を取りまとめ公表した。昨年9月~12月に計4回開催された検討委員会や、パブリックコメントの募集結果などを踏まえ取りまとめた。考え方では、希少な動植物や景観などに配慮し、設備設置がそれらを毀損する可能性がある場合、立地候補地から除外するよう求めている。
 
 国立公園内での太陽光発電設備の導入実績(昨年2月末時点、許可済みの数)は、▽第2種特別地域内が8件、▽第3種特別地域内が8件、▽普通地域内が10件で、このうち6件が出力1000kW超の大規模太陽光発電設備である。国定公園・都道府県立自然公園内での導入実績は、▽第2種特別地域内が13件、▽第3種特別地域内が29件、▽普通地域内が40件で、うち23件がメガソーラーとなっている。新規設置で事前の相談を受けている事案は国立公園内で100件以上、国定公園・都道府県立自然公園内で50件以上に上るという。
 
 こうした状況を踏まえ、考え方では、▽植生の復元が困難な場所や野生生物の生息地・生育地として重要な地域、景観上重要な地域は立地から除外すべき、▽自然草地、樹林地は、立地から除外すべき、▽現在の土地利用に加え、改変跡地など過去の土地利用も考慮し、個別に設置を検討すべき、▽設置面積が大規模なため、俯瞰される場所や斜面に設置する場合、主要な展望地などからの展望への影響、眺望対象への支障を審査すべき、▽施設の設置に伴う土地の形状変更はは、抑制的に対応すべき、などの点を求めた。