環境省は12月19日、ユーラスエナジーホールディングスが計画している風力発電設備の新設2案件に対する環境大臣意見を経済産業大臣に提出した。同社は田人町で「(仮称)田人風力発電事業計画」、遠野町で「(仮称)三大明神風力発電事業計画」をそれぞれ進めている。
田人町の案件は、約550haの事業実施想定区域に最大3万6000kW(3000kW型の風車×最大12基)の風力発電設備を建設するもの。遠野町の案件は約450haの事業実施想定区域面積に最大出力5万4000kW(3000kW型機×最大18基)の設備を建設する。両案件の事業実施予定区域には猛禽類の希少種が生息しているほか、特定植物群落などもあるため、今回の意見では主に自然環境に着工が及ぼす影響などを配慮するよう求めている。両案件に共通した意見は、▽風車やその配置計画を検討し、事業実施想定区域内とその周辺の住居への影響を回避し、回避できない影響は低減すること、▽オオタカの繁殖が確認されているため、風車の配置などの際調査、予測及び評価を実施すること、▽取付道路の設置、既存道路の拡幅と敷地の造成では、風車の選定や法面の工法、勾配の設計や施工方法を工夫し、土地の改変と森林伐採の回避に努めること、▽これらの施策で、重要な動植物とその生息地、生態系への影響を回避するか低減できない場合は、事業計画を見直すこと、などとなっている。