2014/12/19 ニュース
国内外でごみ焼却発電設備の受注相次ぐ
 国内外で造船・重機大手のごみ焼却発電設備の受注が相次いでいる。まず、日立造船は12月18日、中国・四川省の成都市興蓉再生能源有限公司(四川省成都市)から、処理能力2400t/日(600t/日×4炉)のごみ焼却発電設備を受注したと発表した。役務範囲は基本設計・詳細設計、主要機器の供給と据え付けなどで、試運転時にスーパーバイザーを派遣する。新設備には発電量5万kWの発電設備が付帯する。同社は、過去中国向けに受注したごみ焼却発電設備の運転実績などが評価され、受注に結びついたとしている。
 
 国内向けでは、荏原環境プラントが南信州広域連合から「(仮称)次期ごみ処理施設整備・運営事業」を受注した。ごみ焼却発電設備は長野県飯田市に建設し、同社は竣工後運転・維持管理も請け負う。同事業の事業費は119億9000万円。12月1日に着工しており、平成29年11月30日の竣工を目指す。同事業は、飯田市ほか3町9村の一般廃棄物を焼却処理し、その熱エネルギーで発電を行うもの。焼却炉の処理能力は93t/日(46.5t炉×2)で、焼却炉にはエバラHPCC21型ストーカを採用する。排熱を利用する蒸気タービン発電機の出力は1280kW。これらのスペックで、排ガス再循環による高効率発電と省エネルギーを両立し、CO2排出量を抑制する。
 
 一方、三菱重工業グループの三菱重工環境・化学エンジニアリング(MHIEC)は、山形市など4市町からなる山形広域環境事務組合からごみ焼却発電設備の建設・運営事業を受注した。処理能力は150t/日で、75t/日の流動床式ガス化溶融炉2基、焼却時の排熱を利用する蒸気タービン発電機などで構成される。総事業費は約185億円(税抜)で、稼動開始は平成29年10月を見込む。受注した「エネルギー回収施設(立谷川)建設及び運営事業」は、山形市が昭和57年から市内で運営している立谷川清掃工場(180t/日)が老朽化しているため、隣接地に代替施設を建設し、運営を民間委託するDBO方式で整備するもの。設備の建設はMHIECが、竣工後の運営事業はMHIECなどが設立した山形エコクリエイションが分担する。同事業では、山形市の企業5社など7社が参画するグループを結成し、地元を意識した運営体制を敷く。