2014/10/29 ニュース
環境省、電源開発の風力案件に計画変更の大臣意見
 環境省は10月27日、北海道と秋田県で電源開発が実施する2件の風力発電案件の環境影響評価準備書に対する望月義夫環境相の意見を宮沢洋一経産相に提出した。
 
 北海道で実施予定の案件は「せたな大里風力発電事業(仮称)」で、久遠群せたな町に出力5万kW(2300~3300kW型機を最大22基設置予定)の風力発電設備を建設するもの。環境影響評価準備書は6月18日~7月17日に縦覧され、住民意見が11件見られた。秋田県の案件は「(仮称) 由利本荘海岸風力発電事業」で、秋田県由利本荘市に出力1万6100kW(2300kW型機×7基)を建設する。環境影響評価準備書は6月18日~7月17日に縦覧され、住民意見はなかった。
 
 まず、せたな大里風力発電事業への大臣意見では、電源開発側に詳細設計で二次的落葉広葉樹林の改変面積の削減を求めた。また、景観への影響が著しいとして▽19~22号機の風車4基の設置を中止するか、設置場所を変更する、▽スカイラインを切断する3~4号機、15~18号機までの6基はスカイラインの切断を回避し、スケール比の小さい機種を選びなおすか、風車数を減らす、▽同様に1~2号機、5~8号機、10号機、12~14号機の10基もスケール比の小さい機種にする、などを求めている。
 
 由利本荘海岸風力発電事業では、▽施工時や稼働時の騒音をモニタリングし、適切な環境保全措置を講ずること、▽事前調査の結果次第では、より低騒音型の風力発電設備の採用、稼働制限・停止などの環境保全措置を講じ、結果を公表すること、▽事業実施区域の北側に病院があるため、設備供用後にヒアリングを実施し、結果に応じて稼働時間を調整すること、▽事業実施区域の周辺で希少な猛禽類が確認されているため、工事期間中は環境モニタリングを、設備供用後はそれぞれ事後調査を実施すること。事後調査などで重大な影響があった場合は、稼働制限、停止も含む追加的な環境保全措置を講ずること、などを求めた。