楽天がエネルギー関連事業を多方面で展開している。同社は10月28日、丸紅との業務提携とエネルギー需要を開発する有限責任組合の設立をほぼ同時に発表した。2年後の家庭用電力小売り全面自由化などを見据え、エネルギーを重要商材の一つとして位置付けたい考えだ。
まず、丸紅とはエネルギー需要開発の業務提携契約を締結し、協業することを発表した。両社は、インバランスと現行のFIT制度の動向を勘案しながら、再生可能エネルギーを主力に同社のプラットフォームで電力受給の取り引きを拡大する。家庭用の電力小売り自由化では、楽天市場の購買データや費者行動のビッグデータをエネルギー事業領域に適用して、他社と差別化し電力小売り市場でのシェア確保を目指す。今後、両社は後述の有限責任事業組合と電力ビッグデータを収集する安価な機器を共同開発し、新サービス開発を推進する。
またグローバルエンジニアリング(福岡県古賀市)、東光高岳(東京都江東区)、エネットの3社とエネルギー需要を開発する有限責任事業組合も設立した。同組合では、▽エネルギービッグデータを活用したサービス開発・販売、▽エネルギーマネジメントシステムの企画・販売、▽再生可能エネルギーの普及支援サービス、▽その他、附帯・関連する事業を行っていく。