半導体向け超純水製造装置などを手掛ける栗田工業は9月4日、リチウムイオン電池の安全性を向上する新素材「イプシガードKC」を開発したと発表した。海外の大手電池メーカーから初受注を獲得しており、今後は量産体制を強化。国内外の電池メーカーからの受注を強化する。
イプシガードKCは、同社の包接技術を応用して開発したもので、従来のガス吸収材と比べて炭酸ガス吸収能力は3倍以上と高い吸収性能を持つ。この吸収性能で発生した炭酸ガスを瞬時に包接して吸収し、ガスの発生が引き起こす電池内圧の上昇を防ぐ。また、あらかじめ一定の水分が包接されており、電池内の温度上昇も抑制する。これらの働きで電池内圧と温度の上昇を抑え、電池の発熱や膨れ・破裂、電解液の発火リスクなどを低減する。