経済産業省は6月24日、「水素・燃料電池戦略ロードマップ」をとりまとめ公表した。産官学の各界で構成する「水素・燃料電池戦略協議会」が中心になって取りまとめたもの。それによると、水素・燃料電池関連の機器・インフラ産業の国内市場規模を2030年には約1兆円、2050年には約8兆円の規模に育成するとしている。
同省は市場規模拡大と水素社会の実現のため、段階を踏んだ取り組みが必要だとしている。まずフェーズ1では、定置用燃料電池や燃料電池自動車の活用を拡大する。国内メーカーを中心に水素・燃料電池分野の世界市場でシェアを獲得する。フェーズ2では、水素の需要を拡大し、「電気・熱」同様に水素も代表的なエネルギーと位置付けた二次エネルギー構造を確立する。 フェーズ3では、水素製造にCO2回収・貯留技術を組み合わせるか再エネ由来水素を活用し、トータルでのCO2フリー水素供給システムを確立する。このため、2017年頃には業務・産業用の燃料電池を商品化。2020年頃にハイブリッド車の燃料代と同等か以下の水素価格を目指す。2020年代半ばには輸入水素価格(プラント引き渡し価格)を30円/N立法mを実現し、同時に商業ベースでの効率的な水素の国内流通網を拡大する。2030年頃~2040年頃には海外で未利用エネルギーからの水素抽出、輸送・貯蔵を本格化させ、発電事業用の水素発電設備導入と、CO2フリー水素の製造、輸送・貯蔵を本格化させる。