2014/04/18 ニュース
タクマほか、GHGを約80%低減した汚泥焼却発電設備を開発
 タクマは4月16日、温室効果ガスのN2O(温室効果はCO2の310倍)排出量を約80%低減した下水汚泥焼却発電設備を開発したと発表した。環境省令で規定している排出量の0.645kg-N2O/t-wetに比較して大幅低減を図ったもので、今後開発した実証プラントでデータ収集などを進める。
 
 開発した実証プラントは、国土交通省国土技術政策総合研究所からの委託研究事業である「下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)」の研究成果。同社のほか和歌山市、日本下水道事業団、京都大学、西原環境の共同研究体が実施した、「下水道バイオマスからの電力創造システムに関する技術実証研究」のために開発した。実証プラントは、一日に含水率約70%の下水汚泥を35t-wet焼却処理した場合、燃料のA重油使用量は0L/時、発電量は約120kWh/時と省エネ・高効率を実現した。発電時は、設備の消費電力を約80%削減できたほか、自家消費分以外にも余剰電力が得られ、外部に供給できる試算結果となった。この設備を導入可能な全国の全下水処理場に設置すると、発電量と自家消費電力の低減効果をあわせ、約20万世帯分の電力を賄えるという。