大林組は1月30日、従来型よりも採熱効率を20%以上高め、施工コストを約25%削減した分岐管型地中熱交換器を開発したと発表した。今春から稼働する同社の技術研究所(東京都清瀬市)の新実験棟「オープンラボ-2」に導入し、実証実験を行う。
現在主流となっているU字管方式の地中熱交換機は、送り管と還り管が密着した構造になっている。このため地中で採熱しても、還り管の通過時に送り管の低温熱が影響し、採熱効率が下がっていた。新開発の熱交換器は、還り管は1本だが、送り管は3本の高密度ポリエチレン管で構成した。専用ストッパーで配管の間隔を離し、送り管と還り管の密着を防ぐことで採熱効率の低下を防いでいる。採熱効率の高い送り管の本数を3本と還り管の本数より多くし、還り管の流速を上げて採熱能力を向上させた。また、採熱管は管底キャップの接続で一体化するが、キャップの接続には電気融着ソケットを採用。掘削工事も、掘削機を改良して工期を短縮し、施工コストを従来と比べ約25%削減できた。