2013/07/29 ニュース
北海道大、省資源型の次世代二次電池用触媒を開発
 竹口竜弥・北海道大学触媒化学研究センター准教授らの研究グループは、金属・空気二次電池の空気極触媒として、エネルギーロスが少ない層状ペロブスカイト酸化物電極触媒を開発した。今回の成果を二次電池の開発に適用し、エネルギーロスの少ない次世代二次電池の実現にめどがつくほか、変動の激しい風力や太陽光発電などで得られる再生可能エネルギーの平準化も可能となると見られ、エネルギーの安定供給にも貢献するという。
 
 金属・空気二次電池では,空気極の放電・充電の反応速度が遅く,放電・充電時にエネルギーロスが起こる。今回の研究では新触媒として「層状ペロブスカイト酸化物」を開発し空気極触媒に用いた。放電・充電反応の性能を従来の2種類の触媒と比べるとエネルギーロスがほとんど見られず、高活性な可逆空気極であることが分かった。これは新触媒内に酸素が存在し酸素の出入りが容易なため、充電・放電反応を促進しているためである。 また電気伝導性もあり、カーボンを用いない電極が作成できるためカーボン燃焼の懸念がないこと、新触媒は酸化物で貴金属を使う必要がないため低コスト化と貴金属資源の保全に貢献することなどから、再生可能エネルギーの平準化とエネルギーの安定供給につながると期待されている。