2018/11/28 ニュース
JSTほか3者、全固体電池の原子配列状況を解明
 科学技術振興機構(JST)は11月23日、リチウムイオン電池より高性能な全固体電池の固体電解質と、電極が形成する界面で、規則的な原子配列が低抵抗界面形成の鍵であると発見したと発表した。この研究は東京工業大学、日本工業大学、産業技術総合研究所の3者と行っており、一杉太郎・東京工業大学物質理工学院教授らの研究グループが発見した。全固体電池の開発では、固体電解質と電極が形成する界面でのリチウムイオンの低い伝導性が大きな問題となっている。リチウムイオンの伝導性が高い固体電解質と電極材料が開発されても、それらが接触する界面での抵抗が高いと高速で充放電できる電池が開発できない。そこで一杉教授らは、正極材料のコバルト酸リチウムと固体電解質リン酸リチウムとの界面を作製し、表面X線回折で界面構造を精密に調査した。その結果、高い抵抗の界面では結晶の周期性が乱れている一方、低い抵抗の界面は原子が規則的に配列していることを発見した。そして、固体電解質と電極の形成プロセスを最適化することで、極めて低い界面抵抗を得ることができたという。JSTは、今回の研究成果を全固体電池を実用化するための道筋が見えてきたと評価している。また、今回得られた知見が、全固体電池作製のプロセスを改良し、高性能な全固体電池の開発につながることが期待されるとしている。