東芝は、佐賀市内のごみ焼却炉に処理能力が20kg/日規模のCO2分離回収活用システムの実証試験設備を設置し、CO2の試験的回収と成分分析、回収したCO2の利活用方法の調査研究を行う。国内初の取り組みで、佐賀市が進めている「清掃工場バイオマスエネルギー利活用促進事業」の一環として行われる。同事業には東芝のほか、荏原環境プラント、九州電力なども参画している。
この事業は、焼却炉の処理過程で発生する排ガスからCO2を回収し、農産物や藻類の培養などに有効活用するシステムを構築するもの。技術が確立されればCO2の排出削減が図られるほか、CO2を活用する企業が立地を図ることで地域活性化も期待できる。同事業では、市が取りまとめる形で来年度まで各種実験・利活用方法の調査を行う予定。東芝は実験プラントの設計中で、9月までに設置を完了し、10月から実験に入る。市は今年度、同事業のために3114万円の事業費を計上している。