2018/03/05 ニュース
日立造船など、洋上風力の基礎工事で新工法適用に着手

 日立造船は2月28日、着床式の洋上風力発電施設で、基礎施工時に新工法「サクションバケット基礎工法」の実用化を本格化した。新工法は京都大学防災研究所、東洋建設との3者体制で研究しており、▽同社・新工法の設計検証方法の研究開発、コスト調査と分析、▽京都大学防災研究所・新工法の構造物と海底地盤の挙動の研究開発、▽東洋建設・新工法の施工に関する技術研究開発--と分野を分けて研究している。新工法は、基礎部分のバケット内部を排水し、静水圧以下の状態にして海底面下に貫入する。発電事業が終了し、風車を撤去する場合は貫入時とは逆方向に加圧すれば完全に撤去できるという。欧米では、堆積層の厚みが10m程度でも基礎を築いた実績があり、日本の沿岸海域でも条件が合えば設置可能な範囲が広がる。と背う者の試算では、15基の風車を新工法で設置する場合、モノパイル基礎工法の工期より1年短く設置できるという。また設計、調達、建設のる費用も約7%削減できる見込みとしている。