東京商工リサーチは9月7日、2017年1-8月の太陽光関連事業者の倒産動向を公表した。それによると、今上期の累計倒産件数は59件(前年同期比63.9%増)と前年同期比では1.6倍と増加した。同社は倒産がこのままのペースで推移すると、2000年の調査開始以降、年間最多だった2016年の65件を上回り過去最多を記録する可能性があるとしている。59件の負債総額は191億7400万円(7.1%増)となった。このうち負債額1億円未満は30件(前年同期は17件)と小口倒産が多く、件数の増加ほど負債は増えていない。以下、1億円以上5億円未満が最多で23件(構成比38.9%)、1000万円以上5000万円未満、5000万円以上1億円未満がそれぞれ15件(25.4%)だった。この傾向は、小規模に展開していたパネル設置工事や電気工事業者の倒産が目立ち、負債は小口化していることを反映しているという。
倒産の原因別では、「販売不振」が30件(50.8%)と昨年の19件から急増し、全体の半数を占めた。次いで「事業上の失敗」が7件(11.8%)、「運転資金の欠乏」が5件(8.
4%)と続く。一方、前年同期には見られなかった「売掛金の回収難」が4件(6.7%)発生した。このほか「既往のシワ寄せ」、「販売不振」、「売掛金回収難」を合算した「不況型倒産」は39件(66.1%)に達し、前年同期の21件から大幅に増加した。売掛金の回収難は、資産規模が小さい太陽光関連事業者の脆弱な資金状況を反映している。同社は、今年4月の改正FIT法施行などで電力買取価格がさらに引き下げられることが、発電設備の新設コストに引き下げ圧力となると指摘した。その上で、「当面、発電設備の販売や施工業者の経営環境は厳しい状況が続くと見られ、倒産は今後も高水準で推移する可能性が高い」と報告を結んでいる。