環境省は5月26日、「(仮称)馬揚山風力発電事業」の計画段階環境配慮書に対する環境大臣意見を経済産業大臣に提出したと発表した。同事業は、JR東日本エネルギー開発がいわき市で計画しているもので、同社がいわき市三和町に最大出力3万6000kW(2000~3600kW型機×10~18基)の風力発電設備をを設置するもの。大臣意見では、住居やその近傍を事業対象区域から除外すること、施工時の騒音や風車の影などが周辺住民に影響を及ぼさないことなどを求めている。
大臣意見の各論では、▽事業実施想定区域内とその周辺には多数の住居があるため、設備を住居から離すなどし、施工時の騒音などを回避するか極力低減する、▽設備竣工後も同様に、風車の影が生活環境に影響しないようにする、▽想定区域周辺でクマタカの存在が確認されており、稀少な猛禽類などがバードストライクなどで減少しないよう調査、予測、評価を行う、▽その結果から設備の配置などを検討する、▽また、想定区域内には、「新田の大山桜」が存在し、名所となっているため、事業計画の具体化など計画の各段階で管理者、利用者、地域住民と自治体の意見を踏まえること--などを求めた。