日立製作所は3月9日、竹を発電用木質バイオマス燃料と同等の品質に改質する技術を開発したと発表した。竹類からカリウムと塩素を溶出させることで燃料化する。竹は、木質に比べてカリウムが多量に含有されている。このため灰の軟化温度が680~900℃と低く、大型ボイラーで燃焼させると炉内にクリンカという溶岩を生成する。反対に塩素濃度は1000~5000ppm(0.1~0.5%)と高く、ボイラーのスーパーヒーターや耐火部品を腐食させやすい。同社は、成長の早い植物の断面が多孔質の繊維で構成され、微粒化して内部を開放すればカリウムを容易に溶出できることを発見した。
そこで、竹を専用の粉砕機で粒径6mm以下まで微粒化し、水に浸してカリウムと塩素を溶出させてみた。その上で微粒を脱水し、カリウム濃度と塩素濃度を低下させることに成功。灰の軟化温度も1100℃以上に向上できたという。このプロセスは孟宗竹、笹や雑草類、未利用の杉の皮などでも同様の効果が見られたとしている。今回開発した技術は、林野庁の補助事業「木質バイオマス加工・利用システム開発事業」の一環で、福岡県八女市と北九州市が確立に協力した。