JFEエンジニアリングは2月6日、同社が運転を受託しているごみ焼却発電設備に、日本アイ・ビー・エムのコグニティブテクノロジーを導入すると発表した。コグニティブテクノロジーとは。自然言語でテキストや音声、映像などの非構造化データから人工知能(AI)が学習し、知見を導き出す技術を指す。同社は従来、最適な運転を維持するため、横浜本社内のリモートサービスセンターに設置された「JFEハイパーリモート」で設備の操業支援を行ってきた。今回は最適な運転予測、経験豊富な運転員の知見などあらゆるデータを蓄積した上でコグニティブテクノロジーにその知見を移植する。両社は、プラントの最適操業と自動化・省力化の推進などのため有効性を確認し、来年度中にも稼働している設備に試験導入する予定。
この技術が確立されれば、同社は、▽プラントの運転データに運転員の知見や設計ノウハウを組み合せ、自動で最適な運転状態を維持する、▽同社の維持管理技術やトラブル事例などから、最適な対応方法を導き出し活用する、▽対応方法を運転員に指示することで、これまで本社技術者やメーカーに問い合わせていた対応を迅速化する--などを顧客に提供できるようになる。コグニティブテクノロジーは、タブレット端末などでも利用でき、端末への入力や確認はキーボード操作のほか口頭での音声入力も行えるという。