福岡工業大学は4月12日、阿比留久徳・同大工学部知能機械工学科教授が、落差がない水路でも発電できる「フラッター水力発電装置」で技術発明の特許権を取得したと発表した。フラッター水力発電は、水中翼が流れに対し左右に往復運動して発電する形式で、低流速から発電できるなどの特徴を持つ。高速回転部を持たないため水中生物を巻き込むおそれがなく、枝や木の葉などごみの詰まりにも強い。
同大が試作した試験機は、出力が水流の速さが1m/秒の時に約50Wという。原理的には大型化、または一つの水路に複数を設置することが可能で、水路の水深や幅、水量に応じて発電量を増やせる。 今回、特許を取得した技術は、立体的な動きで発電機を円滑に回転させ、水中翼の往復運動を発電機の一方向の回転に変換するための機械構造に関するもの。同大では、LED外灯や電動農機具の夜間充電用などの電源として活用を期待している。現在、バッテリーへの充放電を最適に制御して、電力を有効利用する研究も並行して行われている。