2015/12/14 ニュース
産総研、ギ酸から高圧水素を供給する手法を開発
 川波肇・産業技術総合研究所(産総研)化学プロセス研究部門マイクロ化学グループ  研究グループ長らの研究グループはこのほど、ギ酸から高圧水素を連続的に供給する技術を開発した。新技術はイリジウム錯体を触媒に用いて、水素キャリアのギ酸を水素とCO2に分解する。この化学反応で、圧縮機を使わずに40MPa以上の高圧水素を連続的に発生できるという。
 
 従来の水素キャリアを利用する水素製造技術では、原料や不純物などを除くため、多段階の精製が必要だった。今回の技術では、精製する水素とCO2が高圧なことを利用し、そのままCO2を液化させ、気体の水素と分離して高圧水素を製造する。理論上は、化学反応だけで200MPa以上の高圧水素が得られるため、70MPa以上の高圧が求められる燃料電池自動車などへの供給も十分可能だという。産総研などでは、新技術を発展・適用すれば、将来的に水素ステーション構築の大幅なコストダウンにつながるものと期待している。