東芝は3月18日、英スコットランドで水素燃料の業務用ハイブリッド車両を運用する大規模実証試験を実施すると発表した。スコットランド地方政府が昨年11月に公募した「Local Energy Challenge Fund」に共同提案し、採択されたもの。実証実験は、水素関連設備を運用する非営利企業Bright Green Hydrogen Ltd.など8団体と、今年4月~2020年3月の間に実施する。
実証試験は、スコットランドのファイフ州・メチル港内の再開発地域で行う。この地域にある出力750kWの風力発電設備と30kWの水電解装置、新設する200kWの太陽光発電設備とその周辺インフラが用いられる予定。実験では風力と太陽光で発電したエネルギーを水電解装置で水素に変換、貯蔵し、貯蔵した水素を水素ステーションから25台の業務用ハイブリッド車両に供給する。また、燃料電池で再び電力として周辺施設に供給する。同社が大規模な水素分野の実証試験に参加するのは今回が初めてで、同社は水素の製造・貯蔵の最適管理を行う水素EMSの提供とシステム全体の制御を担当。Bright Greenは実証実験全体の統括・運営、ファイフ州は水素利用の支援、業務用ハイブリッド車両の一部提供などを行う。水素EMSを通じて水電解装置や業務用ハイブリッド車両など、システム全体の運用データを取得し、今後の水素事業の展開につなげる。