農林水産省は3月10日、昨年10月から議論してきた「今後の農山漁村における再生可能エネルギー導入のあり方に関する検討会」が報告書を取りまとめたと発表した。同検討会は、農山漁村で地域主導の再生可能エネルギーを活用した地域活性化策が拡大していないことを踏まえたもの。そこで、再エネ導入の具体的な課題を整理し、これらを解決して導入を促進する対応策を検討してきた。
報告書では、農山漁村には再エネ導入の高いポテンシャルがあるとする一方、地域外事業者の事業が大半であると指摘。この中で、再エネを導入し、農林漁業者の所得を向上するためには、▽地域の事業主体が出資・意思決定を行い、利益の大半を得られる地域主導型事業を拡大する、▽地域外事業者だけで行う事業にも、計画段階から地域の事業主体が関わり、農山漁村の活性化に資する協働型事業に誘導する、などが重要だとした。さらにこれらの事業を実現するためには、▽地域の合意形成、▽人材の育成、▽資金調達の円滑化、▽FITなど制度面の工夫、▽農山漁村再生可能エネルギー法の活用などが必要と指摘した。なお、中長期的には、電力小売自由化後の地域産再エネで外販と地産地消を進め、「地域の自立」を図ることが求められるとした。