京都府が府営事業として発電事業を行っている太鼓山風力発電所(京都府伊根町)で12日、3号機(出力750kW)が損壊し重さ2.4tの羽根(グラスファイバー製)と駆動部が地上に落下した。京都府では現在損壊の原因を調査している。今後は金属関連や、風力発電設備の専門家と現地で事故原因を検証するが、今回の事故が今後の風力発電事業の継続に影響するのは必至と見られる。府は、可能であれば施工したJFEエンジニアリング(施工当時は日本鋼管)の担当者も招請したいとしている。
太鼓山風力発電所は平成13年11月に完成。総事業費約15億円をかけてオランダ・ラガウエイ社製の風車を6基導入した。総出力は4500kWに上り、計画出力は8549MWh/年。同発電所は関西電力と系統連携していた。
しかし、近年は採算性を疑問視する声が上がっていた。平成23年6月に開催された第8回風力発電事業評価委員会では、経営シミュレーションの結果を踏まえ、必要な資金を最小限にとどめるため、4号機を廃止し5基体制で運転することが適当と見なされていた。現状では全機が停止しており、事故原因の特定が終了するまでは、それまで行われていた一般見学も行わないという。 今回の事故で、故障していた風車も含めると、同発電所の発電能力は半減したことになる。