北陸電力は6月30日、国見岳風力発電所(福井県奥平町、出力900kW×2基)、輪島風力発電所(石川県房田町、出力600kW×5基)の最終事故報告書を発表した。両発電所とも2号機が火災・破損で損壊しているが、報告書ではその原因を落雷と結論付けた。
事故報告書によると、国見岳風力2号機は落雷で風車内の油圧装置が損傷し、油漏れが発生。その後も落雷が続き、放電が発生して漏れた油に着火したため火災になったと推定している。同発電所は4月1日付けで廃止され、設備は撤去された。一方、輪島風力2号機は落雷が相次ぎ、ブレード先端部の避雷針の役目をする部品の接続部に損傷が発生。その後も落雷で放電が発生し、ブレード先端部が損傷して裂け、そのまま運転を継続したために裂け目が広がって避雷針の役目をする部品が脱落したと推定している。同社は再発防止のため▽発雷の検出装置を設置し、発雷時は風車を停止。落雷した風車は設備に異常がないと確認してから運転を再開する、▽冬の雷が多発する時期の後、ブレードと風車の避雷針の役目をする部品を点検する、▽風車内の油圧装置が雷電流の経路にならないよう、設備を改修する、などの対策を採る。