政府は4月11日、第4次エネルギー基本計画を閣議決定した。東日本大震災発生後、最初の改定となる。同計画では、再生可能エネルギーを「エネルギー安全保障にも寄与できる有望かつ多様で、重要な低炭素の国産エネルギー源」と位置付け、導入を最大限加速していくとしている。
再生可能エネルギー全般の導入と普及を促進するため、政府は「再生可能エネルギー等関係閣僚会議」を創設、政府の司令塔機能の強化と関係省庁間の連携促進を図る。種別のエネルギーの取り組みでは、特に風力と地熱の導入・普及促進を図る。陸上風力では、▽北海道・東北などで適地を最大限活用するため、環境アセスメントを迅速化する、▽地域内送電線や地域間連系線の強化、▽農地転用制度上の取り扱いなど、立地のための規制緩和や調整などを円滑化する、などの施策を進める。洋上風力では、▽福島・長崎沖での実証研究を進め、平成30年頃までに商業化を目指す、▽技術開発や安全性・信頼性・経済性の評価、環境アセスメント手法を確立する、などに取り組む。地熱では、陸上風力同様に立地の調整を円滑化する取り組みを検討する。太陽光・木質バイオマス・小水力は、システム内で余剰な蓄電池の電力も含む電力を系統供給することを弾力的に認めるため、逆潮流に関わる運用を柔軟化する。同時に、このために必要な系統安定化技術の革新を進める。一方、FIT制度の今後のあり方では「再生可能エネルギー源の最大利用と国民負担の抑制を最適に両立させるような施策の組み合せを構築する」ことを軸に、総合的に検討するとしている。