2018/06/22 ニュース
大成建設ほか、室蘭市で水素供給網構築の実証事業に着手

 日本製鋼所は6月21日、室蘭市で水素の製造から利用までのサプライチェーンを構築する実証事業を行うと発表した。この実証事業は、環境省が公募した「平成30年度地域連携・低炭素水素技術実証事業」に同社などが提案し採択されたもので、今年度から2019年度まで実施する。大成建設が代表企業を務め、▽室蘭市、▽九州大学、▽室蘭工業大学、▽巴商会、▽北弘電社--の5者が参画する。実証では、室蘭市の風力発電設備「祝津風力発電所」で発電した電力を使い、水電解水素製造装置で水素を製造する。製造した水素は、車載用コンテナに収納した水素吸蔵合金タンクにいったん貯蔵する。コンテナを運搬車両に搭載し、水素を利用する温浴施設に運搬、タンクから水素だけを移送する。温浴施設には定置型の水素吸蔵合金タンクと純水素型燃料電池を設置され、水素は燃料電池の燃料に使用する。この水素移送時には「熱のカスケード利用」を行い、施設側のタンクで発生する熱を運搬用タンクの加熱に利用する。また、施設側のタンクから水素を放出するために必要な熱は、建物からの低温排熱を利用し、エネルギーの有効活用を目指す。