福田憲二郎・理化学研究所創発物性科学研究センター創発ソフトシステム研究チーム専任研究員らの研究グループは4月17日、衣服に貼り付けられる超薄型の有機太陽電池を開発したと発表した。理化学研究所、東レ、科学技術振興機構の3者の研究員が共同開発したもので、ウェアラブルタイプのセンサーや電子デバイス用電源を実用化するものと期待されている。研究グループは、高エネルギー変換効率と高耐熱性を併せ持つ新しい半導体ポリマー、「PBDTTT-OFT」をまず開発した。これで、柔軟性に富み、極薄の有機太陽電池の耐熱性とエネルギー変換効率を改善することに成功。この有機太陽電池は、最大エネルギー変換効率は10％で、100℃の加熱でも素子劣化が極めて小さい高い耐熱性を持つ。また、アパレル作製時に布地の接着などで用いられるホットメルト手法で、布地への貼り付けにも成功した。ポリエステルの布地に、太陽電池と布地の間にポリウレタン製のメルトフィルムを挟んで加熱・圧着させた。この加工でも、太陽電池の特性の変化や劣化はほとんど見られなかったという。