三菱日立パワーシステムズ（MHPS）は3月8日、天然ガス焚きのガスタービン・コンバインドサイクル（GTCC）発電設備を水素焚きに転換するプロジェクトに参画すると発表した。この案件は、オランダのエネルギー企業ヌオンが運営する出力132万kW級の「ヌオン・マグナム発電所」(同国フローニンゲン州)で実施される。同社はこのほど、実現可能性調査の基礎的な段階を終え、水素燃焼への転換が可能だと確認した。同発電所は2013年に稼動し、稼動からまだ日が浅いが、燃料転換でGTCC発電設備1系列(出力44万kW)が排出する年間約130万tのCO2をほとんど削減できるという。発電設備は3系列あり、このうち1系列を2023年までに100％水素専焼に切り替える。同社は、同発電所にガスタービン「M701F」などを納入しているため、具体的な改造範囲の策定などで協力する。この案件には同社のほか、ヌオンの親会社でスウェーデン国営の総合エネルギー会社バッテンフォール、ノルウェーの石油・ガス会社スタトイルなどが参画する。スタトイルは、天然ガスの改質技術で水素を製造し、その過程で抽出したCO2は回収・貯留設備を利用してカーボンフリーな水素を供給する。製造した水素を輸送・貯蔵するインフラ面は、オランダのガス会社ガスニーが担当する。ヌオンとバッテンフォールは発電所を運営する。