2018/03/09 ニュース
GSユアサ、自動車用電池のエネルギー高密度化に成功

 ジーエス・ユアサ コーポレーションは3月6日、金属シリコンを主体とする電池負極の高エネルギー密度化と長寿命化を両立できたと発表した。電気自動車に搭載するサイズの電池で、従来のリチウムイオン電池の約3倍となる高エネルギー密度化に成功したという。負極材に用いる金属シリコンは、資源量が豊富などの長所がある反面、充放電時の体積変化が約400%と非常に大きい。このため、充放電を繰り返す過程で劣化が生じ、充放電効率やサイクル寿命特性が乏しい欠点もある。電動化車両用の大型電池では、金属シリコン電極の実用化は困難と見られていた、そこで同社は、金属シリコンの粒子径を選択し、初期充電効率の向上とサイクル寿命特性を改善した。また、複数の導電助剤を組み合わせて放電特性も向上させたほか、製造時に水溶性結着剤を使用して工程の簡略化を図った。同社は、電極のサイクル寿命特性をさらに改良し、2025年頃の電動化車両への適用を目指す。