東京商工リサーチは1月12日、2017年(1-12月)の太陽光関連事業者倒産状況を公表した。それによると、昨年の倒産件数は88件(前年比35.4%増)と過去最多を更新し、それまで最多だった2016年の65件を大きく上回った。倒産件数は3年連続で過去最多を更新し、負債総額も285億1700万円(17.6%増)と4年連続で前年を上回った。負債額別の動向では、1億円以上5億円未満が30件(構成比34%)と最多だった。構成比では、10億円以上が6件(6.8%)と倍増した一方、5000万円以上が25%、1000万円以上が26%と多い。昨年はZEN POWER(福岡県、負債約52億円)、PVGソリューションズ(神奈川県、負債約22億円)などの大型倒産が見られ、負債総額の悪化に拍車をかけた形となった。
原因別では、「販売不振」が最も多く42件(47.7%)とほぼ半数を占めた。次いで、「事業上の失敗」が13件(14.7%)、「既往のシワ寄せ」が9件(10.2%)と続く。特に、「売掛金回収難」は300%増(1→4件)と増加ぶりが目立っており、「既往のシワ寄せ」も125%増(4→9件)となった。また、昨年の倒産では、業容拡大を求めて市場に新規参入したものの、ノウハウ不足や安易な事業計画で経営が行き詰るケースが際立っている。さらに、現在でも太陽光発電モジュールや架台、設置工事の値下げ圧力は加速しており、市場ニーズに合った単価で製品・サービスを提供できるかが今後の鍵となる。加えて、再生可能エネルギー賦課金を引き下げるなどの目的で、FIT制度下での電力買取価格も下落傾向が続くと見られている。これらの要因から、今後の市場環境が一気に好転するとは考え難い。同社は「値下げ圧力に対応できない事業者の淘汰は、今後も避けられないだろう。このため、太陽光関連事業者の倒産は2018年も引き続き高水準で推移する可能性が高い」と見通している。