横河電機は7月14日、同社など5社が、需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント(VPP)の実証事業に参画すると発表した。5社は資源エネルギー庁の補助事業、「平成29年度需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント構築実証事業費補助金」に共同で申請していた。同日付で、エネルギー総合工学研究所から補助金の交付決定通知を受けたため、本格的な実証事業に入る。同事業には同社のほか、▽関西電力、▽富士電機、▽住友電気工業、▽日本ユニシスも参画する。実証期間は平成30年2月28日までとなっている。
この実証事業は、電力系統に点在する顧客の機器をIoT化して一括制御し、顧客の設備から捻出できる需給調整力を有効活用するもの。昨年度から関西電力を代表申請者に進められ、アグリゲーターがエネルギーリソースを制御するために必要なシステムを構築した。これを踏まえ、今年度は関西電力管内の法人・個人の設備で実証を行う。具体的には、▽大型蓄電池やエコキュート、VPPに対応させるための機器を設置し、実サービスを念頭に通信・制御テストを実施する、▽昨年度に共同で実証を行った企業に加え、新たな企業と統合サーバと各企業のサーバを連携させ、幅広いエネルギーリソースを制御できるシステムを構築する、▽数万台規模の家庭用蓄電池を群制御し、周期が短い負荷変動に対応した調整力を供出する蓄電池群監視制御システムの仕様を検討、▽蓄電池の劣化度合いを把握する計測・解析手法を検討、▽蓄電池の残存性能を評価するアルゴリズムの検討と課題の抽出--などを行う。