日立造船は2月18日、硫化物系固体電解質を使用した全固体リチウムイオン電池を開発したと発表した。従来の電解液系リチウムイオン二次電池と同等の性能で、寸法は100mm×100mm×厚さ0.3mm(電池パッケージを含まず)という。この試作品は3月2日~4日に東京ビッグサイトで開催される国際二次電池展に出展される。
同社は、従来から電解質に固体を使用した全固体リチウムイオン二次電池を開発してきており、今回電気自動車、医療機器などに使用できる二次電池の試作品を開発した。試作電池は、▽材料粒子間のイオン伝導性を向上させ、機械的な加圧なしに充放電できる、▽本体部分の厚さ約0.3mmと使用する製品の小型化が可能、▽零下40度~摂氏100度での充放電を確認しており、厳しい環境下でも使用できる、▽充放電サイクルテストで、100回で容量維持率98%、400回で容量維持率96%を確認しており、一般的な使用の下で90%以上の容量維持率を約7年間保つ--などの特徴を持つ。同社では平成29年度中のサンプル出荷を目指す。