2016/02/19 ニュース
大林組、洋上風力の基礎構造工法を確立
 大林組は2月17日、洋上風車の基礎やアンカーに適用する海洋構造物「スカートサクション」を開発したと発表した。着床式風車の基礎や浮体式のアンカーを、従来に比べ低コストで建設する工法で、杭打ち機などを必要とせず工期も短縮できるという。
 
 スカートサクションは、頂版と頂版から下方に伸びた円筒形のスカートで構成され、このスカートを海底地盤に貫入させて風車を固定する。同社の実験では、従来の基礎に比べ約3倍の引き抜き抵抗があるほか、自重だけで抵抗するアンカー(浮体式)に対しては約5~8倍の引き抜き抵抗があることを実証した。また、無振動・無騒音で基礎工事ができ、着床式洋上風車の基礎工事コストは約20%削減、工期も約40%それぞれ短縮できるという。このほか、浮体式洋上風車でもアンカー部分にスカートサクションを適用することで、設置コストを削減できる。特に、TLP型は適用した場合、洋上風車本体のコストを約20%、基礎工事コストを約30%削減でき、工期も従来の半分に短縮できる。