高橋はるみ・北海道知事は11月24日、市民風力発電が石狩市で計画している「(仮称)石狩コミュニティウインドファーム事業」の環境影響評価準備書への知事意見を発表した。知事意見では、環境影響評価準備書の各事項で「調査を行っていない」などと不満を表明したほか、規模の大幅な縮小などを求めている。
この案件は、石狩湾新港工業団地の敷地内に出力2万kW(3300kW型機を最大9基)の風力発電設備を設置し、風力発電事業を行うもの。知事意見では、準備書を「環境評価項目に関する調査、予測及び評価が不十分かつ不適切」としており、「一般に分かりにくく、信頼に足る図書となっていない」と一刀両断した。個別事項では、▽騒音・超低周波音で、近隣事業場の調査、評価を行っておらず、純音成分やスウィッシュ音の記載が分かりにくい、▽風車の影でも、事業場を予測・評価の対象から外している、▽事業実施区域内に生息する希少な猛禽類や無脊椎動物などへの影響で、評価・調査が不十分、▽事業実施区域の近隣に景観資源の石狩砂丘などがあり、風車の存在が景観に影響する可能性があるにもかかわらず、これらを主な眺望点に選定していない--などを不備な点として挙げた。これらの点から、「対象事業実施区域の位置の変更、規模の大幅な縮小など、人の健康及び生活環境に影響を及ぼすおそれのない計画への見直しが必要」と断じた。