2015/11/24 ニュース
九州大学、固体高分子燃料電池の耐久性を大幅に向上
 九州大学は11月23日、中嶋直敏・同大カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所工学研究院教授らの研究グループが、固体高分子燃料電池の耐久性を飛躍的に向上させることに成功したと発表した。通常、電極触媒は、導電性の粉体として使われるカーボンブラックに白金ナノ粒子を担持させ、水素イオンを伝達する樹脂が混合したものを使用している。中嶋教授らは、炭素材料表面に吸着しやすい樹脂「ポリベンズイミダゾール」を発見し、この樹脂で白金ナノ粒子を担持する技術を開発した。この技術で、白金ナノ粒子の担持が難しかった炭素材料表面にも、粒子を担持できるようになった。
 
 今回の成果では、水素イオンを伝達する樹脂も現行の材料で、白金ナノ粒子を担持する手法もこれまでと同様という点が利点になっている。同大では、中嶋教授らの電極作製手法を、現行の材料系でも次世代系でも優れた耐久性を引き出せる画期的な手法と評価している。今後は、実用化のためセル規模を大きくして検証を進め、コスト低減効果なども評価する。