三菱商事、エンジニアリング大手の千代田化工建設は11月17日、ポルトガルで浮体式洋上風力発電事業「ウィンドフロート・アトランティック・プロジェクト」に出資参画したと発表した。両社の完全子会社、Diamond Generating Europe、Chiyoda Generating Europeを通じて参画している。この案件は、事業主体のウィンドプラスが同国北部Viana do Castelo市の沖合20kmに3~4機(合計出力25MW)の浮体式洋上風力発電設備を設置するもの。総事業費は約160億円で、両社は20%ずつを出資し、稼働開始は平成30年を予定している。
同事業では、プリンシプル・パワーが開発した半潜水型の浮体技術「ウィンドフロート」を用いる。同事業に先立ち、ヴェスタス製タービンV80(発電容量2MW)を搭載した実証機ウィンドフロート1が同国の沖合で稼動中。ウィンドフロート1は、運用開始から4年が経過しているが、16GWhを発電し安定稼動しているという。この案件は欧州委員会、ポルトガル政府の補助金対象事業に選定され、欧州投資銀行の革新技術支援プログラムを通じた融資事業候補にもなっている。また、千代田化工建設にとっては初の海外向け電力事業投資案件への参画となる。