川崎市と東芝は11月13日、再生可能エネルギーと水素が燃料の自立型エネルギー供給システムの共同実証に合意し、協定を締結した。開発する新システムは、川崎市臨海部の川崎市港湾振興会館と東扇島中公園に設置し、平成27年4月~平成32年度末まで実証試験を行う。
新システムの開発では、太陽光発電設備、水素を製造する水電気分解装置、燃料電池などを組み合わせた自立型システムを目指す。太陽光発電設備からの電力で水を電気分解し、発生した水素を電力と温水を供給する燃料電池の燃料に活用する。太陽光発電の最大出力は25kW、燃料電池と蓄電池の合計出力は30kW、水素電力の貯蔵量350kWhとなる模様。この設備は水と太陽光のみで稼働でき、災害時でも自立して電力と温水を供給できる。トレーラーでの運搬も可能で、平常時は同会館の使用電力のピークシフト・ピークカットに役立てる。太陽光発電を補う蓄電池は、東芝製リチウムイオン二次電池「SCiBTM」を採用する。燃料電池にはエネファームがベースの純水素型燃料電池を用い、長期間の安定稼働を実現する。役務分担は、川崎市が試験環境の提供、東芝は設備の設計・建設と保守を担当する。